樹木が自然と枝を落す時
(クスノキの並木…2011年5月26日)
樹木は、必要に応じ、自(みずか)ら、枝を落とす。
楠(クスノキ)、榎(エノキ)、椚(クヌギ)、桜、杉、などの大木の下には、落枝がある。
樹木は、必要に応じ、「自己剪定」を行っている。
クスノキや、クヌギの幹を見ると、すっきりとしている。
これは、自己剪定による。
(クヌギの雑木林…ネットより)
樹木は、最も効率よく、光合成を行う為に、隙間を埋めて、次々と葉を茂らせる。
すると、日蔭になる枝葉が出てくる。そこでは、光合成による稼ぎが、葉や枝の呼吸による消費を下回り、赤字になる。そこで、離層をつくり落枝になる。
(クスノキの離層による落枝…ネットより)
落枝の基部は、少し膨らんでいる。これは、枝の基部に離層が出来て、切り離された事を意味している。
離層の原理は難しいが、この枝は要らないと判断した時、エチレンの発生で、離層をつくり、基部の細胞と切り離される。様だ。
(離層部分。維管束痕が見られる。…ネットより)
この離層細胞は、切り放された後、コルク質によってツルツルに加工され、そこから水や、病原菌が入らない様に、防いでいる。
人間のカサブタの様なもの。
そう言えば、子供の頃、実家では、火力に薪を使っていた。
(火を燃す時に使う杉の葉…ネットより)
薪を燃やすには、杉の葉が、欠かせず、裏山に杉の落葉を、拾いに行った。事を想い出す。
樹木は、自然の姿が美しい。
庭の樹木は、自然のままのでは、大きくなり過ぎて、庭と他の植物とのバランスを欠き、住めなくなる。
(SS様邸・左のクスノキが、大きくなり過ぎている)
そこで、植木屋の出番になる。
庭の広さと、他の植物とのバランスを図りながら、最善の剪定を模索する。が、中々、自然の美しい姿にならない。
施主様の好みもある。A様邸とB様邸では、庭に込める想いが全く違う。そこを理解しなければならない。
(K様邸・剪定前の様子…2013年5月13日)
考えて、考えて、経験を積むと、少しずつ見えてくるものがある。
兎に角、真摯に植物達と向き合うしか、今の所、道がなさそうだ。
(「これでナットク!植物の謎Part2」を参考にした)
追憶 [日本語訳付き] バーブラ・ストライサンド
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