★コケはともだち②★
(世界文化遺産-西芳寺(苔寺)…2017年4月24日)
藤井久子・著
「コケはともだち」より。2回目。
植物は、今から約4億5千万年前に、初めて海から陸へ、上がったと言われている。
そこから「コケ植物」→「シダ植物」→「種子植物」→「裸子植物」→「被子植物」へと、枝分かれ的に進化していった。
(中生代…ジュラ紀…約2億年前…ネットより)
どの植物も、より陸地の奥へ奥へと進出し、種類も多様化して、地上は様々な植物たちの陣取り合戦となった。
その植物戦国時代のさなか、参戦しなかった植物がいた。コケの祖先である。「誰かと争うぐらいなら、自分が我慢するかぁ」である。
(植物の模式図…ネットより)
多くの植物が、地面から水を吸い上げる太い根を持ったり、効率よく栄養を運ぶ繊維管を持ったり、寒さや外敵から身を守る為に、葉を硬くしたりと、進化していく横で、コケは他者に道を譲ってきた。
だから今でも、からだは小さいし、構造も原始的。
陸地の多くは、既に他の植物たちに取られているので、空いた隙間をありがたく使わせてもらっている。
(スギゴケ)
しかし、他の植物には真似の出来ない、処世術を身につけた。
例えば、コケは必ず集団で集まって生きている。
海の小魚が、群れで生活している様に、コケも大勢で集まって、生きていく為に必要な水を、より広い範囲で受け止め、保持して乾燥から身を守っている。
(ハイゴケ)
また、コケは土がなくても生きて行ける。
コケのからだは、葉・茎・仮根の三つで成り立っている。
仮根は、からだを地表に固定させるだけのもので、土から養分を吸上げる為の根ではない。
(ビロードゴケ)
栄養源の日光・水・空気は、葉や茎などのからだの表面全体で吸収する。
つまり、土に生える必要がなく、石の上、木の表面なども住みかにする事が出来るのだ。
とは言え、自由な根無し草にもリスクはある。
(石の上に生えるコケ…ネットより)
つづく。
見つめてみよう!植物の世界 (24)シダとコケ
Singing In The Rain - Singing In The Rain (Gene Kelly)
関連記事