★紅葉のしくみ②★

植木屋じぃじ

2016年08月29日 17:16

(信州・メルヘン街道…2014年10月18日)
稲垣英洋(ひでひろ)著・
「面白くて眠れなくなる植物学」より。2回目。

葉っぱは、秋になると、離層細胞によって、水分や栄養分の供給が止まり、糖分が葉の中に溜まって行く。
葉の中の糖分から、アントシアニンと言う色素が作られる。

(左 葉っぱの紅葉  右 ナンテンの緑葉と紅葉の顕微鏡断面写真…ネットより)






光合成を続けていた葉緑素は、低温によって壊れていく。

緑色の葉緑素が失われ、葉に溜まっていたアントシアニンの赤い色素が目立ってくる。

なぜ、葉っぱに、アントシアニンが必要なのだろう?。(下の②が答え)
果実は、アントシアニンの赤色(リンゴ)や、紫色(ブドウ)で、昆虫や動物を、引き寄せる目的があるけれど…。
(鳥や動物を引き寄せる リンゴの赤色。ブドウの紫色)







アントシアニンには、色をつける色素以外に、
①紫外線を吸収し、細胞を守る働きがある。(シソの葉の赤)
②細胞の浸透圧を高め、保水力を保ち、凍結を防ぐ働きがある。(紅葉の赤)
③抗菌活性や、抗酸化機能があり、病原菌から身を守る。
(さつまいもの赤)
 
アントシアニンは、多様な機能を備えている。
(左 シソの赤 右 サツマイモの赤)







紅葉は、昼夜の温度差が大きいと美しい。
昼の間、光合成で稼いだ糖が、夜の寒さでアントシアニンに変化し、葉緑素は壊れていくから。
夏のあいだ、光合成が多く、秋に温度が低いと、紅葉はその色を濃くする。

(イチョウの葉の黄色は、カロチノイド…ネットより)
イチョウは、葉緑素が早く壊れて、カロチノイドの黄色が浮き出る。赤いアントシアニンが出来ないうちに、落葉してしまう。

紅葉は、最低気温がおよそ7度以下になると、始まると言われている。

紅葉は、寒い地域から始まり、紅葉前線は北海道から南下し、同時に標高の高い山から下りて来る。
(紅葉前線の例…ネットより)
おおまかにいうと、紅葉前線は、1週間で200km南下し、山頂からふもとへは、1週間で200〜300メートルの速さで下りて来る。


紅葉を調べていて、あぁ~そうか。と思ったことがある。
ブルーベリーは、眼に良い事は知っていた。北欧産、野生種のブルーベリーは、特にアントシアニンの種類と量が多い。それは、北欧では、夏に「白夜」という太陽が、一日中沈まない現象が起こる。太陽の光が当たり続ける為、青紫色のアントシアニンが、ぎっしり詰まるから。との事だった。

それにしても、アントシアニンは、多機能だ。アントシアニンの効用に預かり、健康で長生き、したいものだ。


(信州の紅葉 2014年10月18日)
















The Brothers Four ~ Try to Remember

関連記事