2018年03月20日
★樹木・落葉の分解速度★
(豊かな森林・イラスト…ネットより引用)
日本植物生理学会・著『これでナットク!植物の謎』の「針葉樹と広葉樹の、落葉の腐食の違い」より。
針葉樹と広葉樹の葉の分解は、一般に針葉樹の方が、腐り難い。
落葉の分解は、微生物やミミズ達の働きによる。
(以下の写真はネットより引用した)
(落葉や、樹木の分解者たち 左-ミミズ 右-ワラジムシ)
(植物の分解者…トビムシ)
針葉樹は、リグニン(細胞間を接着・固化する)を多く含み、栄養分が少ないので、分解者は好まない。
寒い地方や、乾燥地は、分解し難い。
(庭園に使われるヒノキ…身延山久遠寺にて)
ヒバ材やヒノキ材が浴槽に使われたのは、腐り難いから。木材の耐腐性を6段階に分けると、腐り難い方から、
①カヤ、コウヤマキなど
②ヒバ、ヒノキ、サワラなど。
(尾瀬の白樺…2015年7月30日)
③カラマツ、スギなど。④モミ、ブナなど。
⑤ドロノキ、シラカンバなど。
木材の腐り難さの原因には、
抗菌性物質の存在がある。
例えば、ヒバ材に含まれるヒノキチオールなど。
(スギの皮むき)
木材の腐朽菌の対抗性物質に、フェノール類、テルペン類などがある。ヒノキには、テルペン(自身の体を守る物質(フィトンチッド…森林浴効果)の一つ)類が含まれている。
また、リグニンや、ケイ素(砂やガラスの材料。だが、必須ミネラルの一つ)など、分解されにくい成分を含む事により、腐りにくくしている。
(ヒノキの立木の皮むき)
樹木は、それぞれに、生き延びる道を、見つけだした者が、生き延びて、今がある。 親父は、山に生き、伐木、木の切出し、農業など、幅広く仕事をしていた。
親父は、屋根などに使用する、ヒノキやスギの立木の皮を剥(む)き、をしていた。事を思い出した。
昔は、ヒノキやスギの皮は腐りにくい事から、屋根葺きに使われてきた。
(屋根葺きに使用するヒノキの皮)
(左-針葉樹の森 右-広葉樹の森)
日本では、昔、杉や檜の植林を、全国的に行ってきた。
まっすぐ育ち、腐りにくく、丈夫な為、建築材に用いられたから。
しかし、森としては、土壌が肥えない。枝葉が茂り光を遮るから、樹木の下の植物が育たない。
望ましくは、針葉樹と広葉樹、常緑樹と落葉樹が、うまくミックスする日本の森が望ましい。
将来は、そうなって行くだろう。
名曲探訪 ・「新日本紀行」 富田勲 / Isao Tomita
神々の詩