2016年09月17日
★雑草の戦略②★
(稲垣栄洋先生…ネットより)
稲垣栄洋(ひでひろ)著・『戦う植物』より。
「人間に寄添う雑草の戦略」
二回目。
田んぼや畑、道ばた、空き地など、雑草は、人間の暮らす場に生える。
人が立ち入らない、深い森に行くと、雑草は見られない。
雑草は、人間なしには、生きられない植物である。
植物たちの競争に弱い雑草は、人間の作り出した、強い植物が生えない環境に適応して、進化を遂げてきた。
人間は、雑草との戦いに終止符を打つべく、「除草剤」を開発した。
(小麦畑…ネットより)
除草剤の歴史は、そう長くはない。除草剤は、作物を枯らさず、雑草だけを枯らさなければならない。最初に広く普及した除草剤は、双子葉植物に効果はあるが、イネ科植物には、作用しない特徴だった。
(トウモロコシ畑…ネットより)
その為、小麦や、トウモロコシの栽培に、用いられていった。その後、様々な除草剤が開発された。
グリホサートを主成分とする「ラウンドアップ」と言う除草剤がある。これは、環境に対する負荷の少ない、安全性の高い薬剤である。
しかし、ラウンドアップは、どんな植物も、枯らしてしまう欠点がある。
大切な作物を枯らしてしまっては、何にもならない
そこで、遺伝子を操作し、ラウンドアップの効かない、バイオタイプが作り出された。
こうして、作物が植えられた場所でも、安心してラウンドアップを撒く事が出来る様になった。
(非農耕地用-カインズホームのグリホサート)
農業における、雑草問題は解決されたかの様に思われた。が、やがて、ラウンドアップをかけても、枯れない雑草が出始めた。
グリホサート抵抗性雑草である。
除草剤の効かない雑草の出現に対して、除草剤に頼らず、耕したり、植え付け時期を工夫するなど、の検討がされている。
いつの時代も、人間と雑草の戦いは、変わらず続いている。21世紀になっても何一つ変わっていない。
まだまだ、果てしなく続きそうである。
(踏まれて、種を運んでもらう、オオバコ)
最後に。
弱い植物である雑草は、勝てない相手と競争するよりも、踏まれたり、抜かれたりする逆境を選んだ。
「踏まれても立ち上がらない」、「強い植物とは戦わない」
大切なことは「種を残すこと」。
雑草は、ただこの目的に対して、最大限で合理的な努力をしている。
この記事へのコメント
我が家も雑草には手を焼いています。
中野さんの指導もあってブログが見やすくなりましたね。
久しぶりに訪問したら、アクセス数が100万オーバー凄いです!
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Posted by 林 美紀男 at 2016年09月18日 18:36