2018年03月02日
★春の花は何色?②★
稲垣栄洋・著
『日本人の暮らしと身近な植物』の、「春の花は何色?」より。②
ピンク色と黄色に彩(いろど)られた春の風景は、自然の営みによって作り出されたものばかりではない。なかには、人間の手によって作り出された風景もある。
じつは、レンゲなどのマメ科の植物は、空気中の窒素を体内に取り込む事が出来るのだ。
根粒である。
この中には、根粒菌と言うバクテリアが住んでいて、大気中の窒素を植物に供給してくれる。
一方の黄色の風景は、何といっても菜の花だろう。菜の花畑も人間が作り出した風景である。
種子は発芽の為のエネルギーとして、油脂成分を蓄えているので、油をとる事が出来る。
こうして、人々の日々の暮らしによって、美しい春の風景が作り出されて来た。が、最近では、化学肥料で効率よく、窒素を与える事が出来るので、レンゲ畑は少なくなってしまった。
そして、石油エネルギーのある現代では、菜種油で明かりをとる必要もなくなり、菜の花畑も、昔の様には見られなくなった。
レンゲ畑や、菜の花畑も、観光用の景観づくりの為のものが、時々見られるくらいである。
この小川は、東京都渋谷区代々木にあった「河骨川(こうほねかわ)」である。
失われているのは、小川や植物だけではない。小川のほとりで遊ぶ子供達の姿さえ、今は昔の風景になってしまった。
これは、文明による進化だろうか。
おわり。
早春賦 安曇野にて
「四季」から春 ヴィヴァルディ
『日本人の暮らしと身近な植物』の、「春の花は何色?」より。②
ピンク色と黄色に彩(いろど)られた春の風景は、自然の営みによって作り出されたものばかりではない。なかには、人間の手によって作り出された風景もある。
(レンゲ畑…ネットより)
ピンク一色で咲く、レンゲ畑も、その一つである。レンゲは、秋の田んぼに、人間が種を蒔いたものだ。肥料にする為である。じつは、レンゲなどのマメ科の植物は、空気中の窒素を体内に取り込む事が出来るのだ。
(レンゲの根粒菌…ネットより)
レンゲの根っこを抜いてみると、小さなコブがついている。根粒である。
この中には、根粒菌と言うバクテリアが住んでいて、大気中の窒素を植物に供給してくれる。
一方の黄色の風景は、何といっても菜の花だろう。菜の花畑も人間が作り出した風景である。
(沼津の菜の花畑…ネットより)
菜の花は、菜種油をとる為に栽培された。種子は発芽の為のエネルギーとして、油脂成分を蓄えているので、油をとる事が出来る。
(菜の花の種子…ネットより)
こうして、人々の日々の暮らしによって、美しい春の風景が作り出されて来た。が、最近では、化学肥料で効率よく、窒素を与える事が出来るので、レンゲ畑は少なくなってしまった。
そして、石油エネルギーのある現代では、菜種油で明かりをとる必要もなくなり、菜の花畑も、昔の様には見られなくなった。
レンゲ畑や、菜の花畑も、観光用の景観づくりの為のものが、時々見られるくらいである。
(春の小川…ネットより)
文部省唱歌「春の小川」には、なつかしい日本の原風景が歌われている。この小川は、東京都渋谷区代々木にあった「河骨川(こうほねかわ)」である。
失われているのは、小川や植物だけではない。小川のほとりで遊ぶ子供達の姿さえ、今は昔の風景になってしまった。
これは、文明による進化だろうか。
(左-レンゲ…ネットより 右-菜の花)
おわり。
早春賦 安曇野にて
「四季」から春 ヴィヴァルディ
Posted by 植木屋じぃじ at 22:25│Comments(0)
│試験問題・本・等から